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ノートブック

マラン・レイマン – 技術イノベーション責任者

「ひとつだけ今後も変わらないであろうもの、それはテロワールです」

カロン・セギュールでの業務内容とは?

技術イノベーション責任者として2019年9月からシャトー・カロン・セギュールで働いています。シャトーでの作業や設備について改善可能なポイントを洗い出し、シャトーチームをサポートするのが私の役割です。畑と蔵、いずれもが対象です。農業食品業界や工業分野などの異業種で活用されているものも含めて、新しい技術の有用性および適合性に関する情報を収集し、それらが私たちの専門分野であるぶどう栽培あるいは醸造に適用可能かどうかを判断します。

これまでのキャリアは?

Iフランス・ブルターニュ生まれの25歳です。ボルドー国立高等農業科学学校(Bordeaux Sciences Agro)で3年学び、専門はAgroTIC、最先端技術と結びつきの強い分野でした。3年次はコニャックで研修し、ディプロマ取得後は数ヶ月ニュージーランドに滞在。2019年6月にフランスに戻りました。最初からワイン業界での就職を目指していたわけではなく、これまで学んだことをオーストラリアかカナダの大規模農園で生かせればと思っていました。一般的にはあちらのほうがワイン用ぶどう栽培業界よりも最先端技術に対して積極的だからです。ところが、カロン・セギュールはその点ではどこよりも先を行くワイナリーでした。また、華やかで権威ある格付グランクリュとの共同作業にも強く惹かれました。

ワイン業界は保守的だという人もいます。同時にカロンのようにワインを進化させるために臆することなく最新技術を導入するワイナリーも存在する。

具体的にカロン・セギュールで取り組んでいる課題とは?

分野は多岐にわたります。ワイナリー責任者であるリザ・グスタフソンは私と同じコースの卒業生で、2年先輩です。彼女と共に取り組んでいる第一の課題は、植物衛生関連製品の使用量を低減させることです。そのために、高精度GPSシステムを駆使して、トラクターに搭載する噴霧システムの最適化を進めています。また、複数の企業および分析センターの協力を得て、画像データ処理技術を活用したぶどう畑の収量予測の研究も行なっています。その他にも、殺菌効果がある高輝度のパルス発光をはじめとする最新技術を用いて、硫黄化合物の使用量低減を目指す研究にも注力しています。

つまりワイン業界にはイノベーションの適用能力があると?

Iワイン業界は保守的だという人もいます。同時にカロンのようにワインを進化させるために臆することなく最新技術を導入するワイナリーも存在する。新しい技術に関して十分な知識があるか、本当に有益なものは何か、最適な導入メソッドは何か。すべてはそれらを判断する能力にかかっています。私たちが今シャトーで行なっている実践は多くの注目を集めていますし、実際にアドバイスを請われることも多いです。今のポストはありとあらゆる分野の高度な知識と情報に触れることが出来ますし、とてもやりがいがあります。組織を前進させるために絶えずアイデアを絞り、新しいツールを試す。ただし、忘れてはいけないのは私たちの作業場は格付グランクリュであるということ。一定の伝統を尊重しつつ、可能な限り上質なワインをつくることが目標です。ひとつだけ今後も変わらないであろうもの、それはテロワールです。スタートはいつもそこ。そこからつくりあげていくのです。その他は付属品かもしれません。